「経済学」と聞くと難しく感じてしまいがちですが、経済の面白さを知ってもらいたいと思い、経済学部卒の私が大学の授業で一番面白かった部分を記事にしました。
ビッグマック指数とは
皆さんはマクドナルドのビッグマックを知っていますか?
食べたことない人はいるかもしれませんが、おそらく知らない人はほとんどいないでしょう。
これは日本だけでなく世界中の人々に聞いても多くの人は「知っている」と答えます。それくらい世界で人気のビッグマックです。
【ビッグマック指数】
— エスカマン ザコリーマン投資家🇵🇭株クラ筋トレ部部長 (@escamanblog) August 6, 2020
各国の経済力を測るための指数
ビッグマックの値段でその通貨の購買力やその国の物価が分かる
マクドは世界中にあるので、旅行に行ったときは参考にしてみましょう😌
1位はスイスで741円🍔
日本は25位で390円🍔
ちらっとTwitterではつぶやきましたが、各国の経済力を測る際に使えるものに「ビッグマック指数」という指数があります。ビッグマック指数はイギリスの経済紙『The Economist』にも毎年1月に掲載されるユニークな経済指標です。
物価を測る難しさ
皆さんは海外の物価を見るときに何の値段で比べますか?
各国の物価を測る時には、水の値段、電気の値段、家賃、タクシー料金、学費など色々なモノの値段で比べることができます。
しかし、水は大きな川や湖がない国では高くなっていたり、電気料金も供給力や公営なのか民営なのかによって違います。家賃と言っても、国によって部屋のクオリティーには差があり、国内だって2万円台の部屋もあれば100万円ほどの高額物件もあり比較には適していません。
これでは純粋な物価を測るのは難しそうですよね。
そんな中、イギリスの経済専門誌が目をつけたのがマクドナルドが販売するビッグマックです。ビッグマックはどの国で購入しても、概ねほぼ同じクオリティーで出てきますが、値段は国によって違います。このことからビッグマックの値段を知ればその国の物価が分かるのではないかと考えだされました。
ビッグマック指数の正確性
ツイートにも書いたとおりスイスではビッグマックを1つ買うのに741円かかり、日本では390円で買えます。このことからスイスは日本よりも2倍くらい物価が高いことが予想されます。
これは概ね当たっていて、日本ではアルバイトの賃金がざっくりと800~1000円程度ですが、スイスでは2000円~2500円程度のようです。大体2倍ですね。
私がスイスから仕事のオファーをもらった時も提示額の月収は約40万円でした。日本の新卒が20万円程度なのでやはり2倍程度です。
このようにビッグマック指数は通貨間によってはしっかりと機能します。
ビッグマック指数の問題点
ビッグマック指数にも水や家賃で比較した時のように問題点があります。
先ほど”このようにビッグマック指数は通貨間によってはしっかりと機能します。”と書きましたが、一部の通貨間によっては機能しない場合もあるのです。
特に発展途上国ではあまり機能していないように感じます。一般的に日本よりも物価が安いとされるタイではビッグマックが438円で売られています。なんと日本よりタイのほうが値段が高いのです。
理由は色々考えられますが、発展途上国ではマクドナルド=ファーストフードとは限らないからです。
私がよく行くフィリピンでは、もちろん個人差はありますが、庶民にとってはマクドナルド=誕生日やちょっと贅沢したいときに食べるお店という感じがあります。
このように国や地域によってそもそものマクドナルド位置づけが異なるため、ビッグマック指数も万能ではないのです。最近ではNetflixの値段などで比べる人も出てきましたが、それもやはりビッグマック指数のような矛盾が生じます。
経済というのは複雑なため、机上の論ではおそらくこれからも万能な指数は出てこないことでしょう。
経済ではよく数字が出てきて数式も使いますが、数式では表せないことがたくさん起こります。私が今回の記事で「概ね」や「程度」のようなアバウトな表現を使ってきたのもそのためです。
経済学の世界では数式はあれど数学のように確実な答えがあるわけでもなく、経済学者間でも見解が正反対に割れることが多々あります。
これが経済の難しさであり、経済の面白さでもあると私は思います。
まとめ
- ビッグマック指数で各国の物価が分かる
- 通貨間によっては正確性があるが、発展途上国など条件によっては正確ではない
- 経済には数式では表せない面白さがある
大学の経済学部の授業ではこのような面白い内容も扱っているので学部選びに迷っている受験生は面白そうと思ったら是非経済学部へ