国際柔道連盟(IJF)試合審判規定
最近の柔道の試合では、基本的に国際柔道連盟(IJF)の試合審判規定が採用されています。講道館ルールや高専柔道ルールも存在しますが、オリンピックや主要な国内大会はほとんどIJFルールで行われています。
試合時間
- 本戦:4分
大人の試合では男女ともに4分間です。 - 延長戦:時間無制限
トーナメントの個人戦など、勝敗をつける必要がある場合、本戦の4分間で決着しないときはゴールデンスコア(GS)と呼ばれる延長戦で、ポイントが入るまで続行します。 - 団体戦や総当たり戦:引き分けになる場合もあります。
勝敗の決め方
- 一本:
投技が十分な勢いで相手の背中を畳につけた場合、または固技で20秒間の抑え込みやタップがあった場合に勝利となります。技有を2つ取った場合も合技一本になります。 - 技有:
一本ほどの勢いがない投技が決まった場合、または10秒以上20秒未満の抑え込みがあった場合にポイントを取得します。 - 有効:
5秒以上10秒未満の抑え込みがあった場合にポイントを取得します。 - ゴールデンスコア:
延長戦では、どちらかが技有または有効を取った時点で試合終了となり、ポイントを取った選手が勝利します。 - 反則負け:
相手が重大な反則をした場合、その選手は反則負けとなります。
柔道の新しいポイント制度
- 有効の復活
寝技での抑え込み時間に基づく評価が以下のように変更されました:- 5秒以上:有効
- 10秒以上:技有
- 20秒以上:一本
禁止行為とペナルティ
- 軽微な違反(指導)
- 組み手争いの制限時間は30秒以内。攻撃せずに組み手争いを続けた場合、指導が与えられます。
- 道着の不正使用や不必要な防御的姿勢をとること。
- 足での組み手切り、不正確な組み方が反則とされます。
- 重大な違反(反則負け)
- 足を手や腕で引っ掛けたり、ズボンを掴んだりする行為。
- 危険な投げ技や背骨・頸椎を狙った行為。
- カデットでは、逆背負い投げ(韓国背負い)は禁止されています。
特殊な勝敗
- 不戦負け:呼び出し後30秒以内に試合場に来ない場合。
- 棄権負け:怪我や嘔吐などで試合続行が不可能な場合。
このルール変更は、柔道の安全性を高めると同時に競技の多様性と戦略性を向上させる意図が反映されています。特に寝技の積極性や新しいポイント評価基準が注目されます。