現金にもリスクがある
まず事実として現金にもリスクはあります。よく「投資はリスクがあるから投資なんてしない!」「現金での預金・貯金は減ることもないし一番いい!」と思っている人もいるでしょう。しかし、投資家目線で見ると、全て現金として持っているのはむしろリスクがあって危険です。
一般の人から見たら現金の何がリスクなのか分からないと思うので、まずは投資家目線から見た「全ての資産を現金で持つ」のリスクについて解説します。
卵は1つのカゴに盛るな
投資界には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります。「買って来た卵を全部1つのカゴに入れて持っていたら、そのカゴを落としてしまったら卵は全部割れてしまう。だからカゴをいくつかに分けて卵を運ぼう。」というものです。
要するにどこか1つの投資先に資産を全て入れてしまうとその投資先が衰退したとき、潰れたときに資産が吹っ飛んでしまうということです。これを読んで「やっぱり投資はお金が減るリスクがあるから怖いじゃん!」と思った方もいるでしょう。
しかし、実はこれは現金にも当てはまることなのです。
インフレで現金の価値が落ちる
現金は持っていると額面では減ることはありません。100万円もっていれば何年経っても100万円です。一見良さそうで万能に聞こえますよね。しかし、インフレ時には現金だとお金の価値がどんどん下がるという性質を持っています。
分かりやすい例で言うと私立大学の学費や自動販売機のジュースでしょうか。昔、昭和50年頃の私立大学の学費は約20万円/年でしたが現在は約100万円/年です。自販機のジュースも同じようにどんどん高くなってきています。
これはどういうことかと言うと現金の価値がどんどん減っているということです。昭和50年に貯めた20万円は当時なら大学の学費になるくらいのお金でしたがそれをずっと貯金しておいて現在使おうとすると大学に行くには全く足りない金額となってしまいます。
そして貨幣の今までの歴史を見ると現金の歴史はインフレです。今までインフレによって価値が減り続けてきた物が現金です。未来に絶対はないので正確に予測することはできませんが、今まで価値が減り続けた資産を持ち続けようと思いますか?
私は思いません。全額現金で保有するということは投資家目線で見ると今まで価値が減り続けてきた投資先に全財産をつぎ込んでいるような状態です。怖くて夜も眠れません。
現金は額面の大きさは変わりませんが価値は時代によって大きく変わるということを覚えておきましょう。